ici bcmap アバランチ講習会

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ICIから電話かかってきて「今日アバランチ講習会あるんですけどいかがっすかー」って言われたので、急遽参加してきました。
アドベンチャーガイズの国際山岳ガイド近藤さんが2時間ちかくみっちり教えてくれました。
 
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アバランチチェックとして有名なのは、ピットチェック。けどこれって切り取った断面の局所的な判断でしかなく、なおかつ雪の結晶は学問として成立しているぐらい難解なもの。とのこと。
素人の僕らがそれだけで危険を判断するのはほぼ困難なので参考程度にしかならないよ。(ただしやらなくていい。という訳ではない)
 
雪崩の危険として
  • 雪の状態
  • 地形要因
  • 人的要因

と3つ大事なファクターがあるとのこと。

雪の状態

これはピットチェックでも行える。その他にも風積雪とか風や天候で変わってくる。

前日にドカ雪降った。前日に気温がめっちゃ上がった。雨がふった。などなど。

地形要因

これは斜度、斜面の方位、岩や立ち木、ドロップなど様々な複合的要因。これが雪崩にとってとっても大切なことらしい。滑って楽しい斜面はもっとも雪崩がおきやすい斜度であるのがキモ。あとは南面で日射がある。東面で風積雪があるなど。

人的要因

上の二つの要因がいくら危険でも人がその場所にいなければ危険ではないので、この人的要因が一番大事らしい。実際に雪崩は人的要因で起きることが多いらしいです。

日本ではあまりないけど、スノーモービルで雪崩を誘発してしまうのが、アメリカでは要因のダントツトップ。それに加えてセーフティポイントでちゃんとリグループするとか、人の上には止まらない。オープンバーンでは止まらない。などなど。

 

 

この3つをちゃんと把握しつつ、可能な限り入山する前、してから情報を集めることに徹してください。ということでした。

パズルに例えて話てくれたのが分かりやすかった。一つでも多くのピースを集めたほうが雪崩の全体像をイメージ出来るので、地元の人に聞く。リフトのおじさんに「今日、どのぐらいふりました?」とか、木の上の積雪がフレッシュか? もし木の枝になく、木の麓にフレッシュスノーがあったら、風で落とされた。とか。雪庇の張り出し具合で風向きを判断などなど。

 

雪山の事故の割合について。アバランチ(雪崩)は全体のたった2%。んじゃ勉強しなくていいじゃん。ということではない。一番多いのは、道迷い。滑落、転落らしい。もちろん%の高いものをしっかり勉強するのはもちろん。雪山に入るならアバランチの知識は絶対必要。けどアバランチの知識だけでもダメで、道の読み方、方位の読み方、地形の読み方。それらを総合していきましょうね。ということでした。

 

ここでは書ききれないぐらい一杯話してもらいました。大変勉強になりました。忘れないためにも定期的に参加したいな。

 

最後にビーコンにまつわる面白い話を聞いた。

アバランチビーコンの周波数は全世界で457KHzと定められていて、どこの国のビーコンをどこで使っても動作するように出来ているのですが、なぜか日本製のビーコンってないと思いません? アルインコやケンウッドとかアイコムとか無線の有名なメーカーいっぱいあるのに…………

これからくりがあって、なんと電波法上457KHz付近は特定省電力でしかつかっちゃいけないらしいんですよ。あの10mぐらいしか飛ばない無線と同じ。これじゃ埋没者さがせねーーっつーのw

日本のメーカー(P社とか)が作りたいと近藤さんの所にやってきて試作品まで作ったが最後は法律の壁に跳ね返されて断念したらしいです。アホらしい。

 

スポンサー?であるbcaからエアバッグのデモ。けっこうすごいなこれ。

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